平成21年10月9日号
新たに資源配分方針策定へ
総合科学技術会議
総合科学技術会議の有識者会議は1日、前政権の科学技術関係の予算編成に関する方針を白紙撤回し、早ければ9日までに新たに平成22年度予算の資源配分方針等を策定することを決めた。津村啓介・内閣府政務官は「予算要求に関しては15日までにマニュフェストを踏まえた予算要求をすることなっている。資源配分方針についても、改めてゼロベースで見直しを行う。温室効果ガスの削減目標として、2020年までに90年比25%削減を目指すとした鳩山イニシアティブの趣旨を踏まえ、低炭素社会の実現に向けた課題に重点をおく等の鳩山カラーが十分発揮される内容にしたい」と話す。
−結晶内空間をフラスコに利用−
東京大学大学院工学系研究科の藤田誠・教授らは、結晶性化合物の結晶内に空間を作り、その空間を化学反応の場として用いることで、結晶の特性を活かして、出発物質が生成物に至るまでのスナップショットを精密に観測することに成功した。化学反応では、原料から反応中間体を経て、最終生成物になるが、反応中間体を直接観測することはできなかった。今回の手法により、それが可能になった。藤田教授は「重要な反応だけれども、今まで機構が分からないものや推測されているものがある。そうした反応機構を解明していきたい」と話している。ネイチャーの9月30日号に掲載された。
通信業界へ提言
=超ガラパゴス研究会=
超ガラパゴス研究会(委員長:夏野剛・慶応大特別招聘教授)は、日本の通信業界に対する5つの提言をまとめた。これは携帯電話に代表されるように、世界でも優れた先進的な技術を持つ日本の通信業界が、グローバルな市場競争で欧米や韓国のメーカーに遅れをとっている状況を、検討した結果について提言したものである。
早大、来年4月開設
医薬、原子力など人材育成
早稲田大は東京女子医科大、東京農工大、東京都市大の3大学それぞれと共同大学院を2010年4月に開設すると発表した。
ユビキタスネット研究
東大・森川教授ら3氏
NPO法人モバイル・コミュニケーション・ファンド(略称MCF、中村維夫・理事長)は、日本国内における移動通信の発展と若手研究者の育成を目的に毎年贈呈している「ドコモ・モバイル・サイエンス賞」の受賞者を決定した。先端技術、基礎科学、社会科学の3部門について優秀賞3氏を選定し、各受賞者に賞金600万円を贈る。選定は10名の選考委員会(委員長:羽鳥光俊・東大名誉教授)が行った。授賞式を10月16日にANAインターコンチネンタルホテル東京で開催する。
4テーマで課題公募
科学技術振興機構は、平成21年度より新規事業として「戦略的イノベーション創出推進事業(略称:S−イノベ)」を開始した。 同事業の開始に伴い、平成21年度新規課題の募集を平成21年10月7日(水)から11月6日(金)まで行っている。
新開発の分析装置で
ナノレベル高精度分析実現へ
物質・材料研究機構(NIMS)は、エスアイアイ・ナノテクノロジー、九州大学、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、日本電子と共同で、マイクロカロリメータ型X線検出器を透過型電子顕微鏡に搭載した分析装置の開発に成功し、従来のエネルギー分散型X線分光より一桁以上高いエネルギー分解能でのX線分光スペクトルの取得に成功した。今後、ナノスケールでの高精度組成分析の実現を目指す。
ナノ彫刻技術使って成功
−九州大の研究グループ−
九大院工学研究院の君塚信夫・主幹教授、副島哲朗・特任助教らはこのほど、金ナノ結晶の成長とエッチングを同時に進行させる新たな技術”ナノ彫刻法”を開発、花冠状やプロペラ状などユニークかつ複雑な形状を持つプレート状金ナノ結晶(金ナノプレート)の合成に成功した。化学技術振興機構(JST)戦略創造研究推進事業チーム型研究(CREST)による研究成果で、このナノ彫刻法を用いることによって、これまで合成が不可能であった複雑な形状の金属ナノ結晶を得ることができ、高活性触媒や高感度バイオセンサーの開発が加速するものと期待される。『米国化学会誌』掲載に先立ち、オンライン速報版で公開された。
シグナル伝達経路を解明
理化学研究所植物科学研究センター機能開発研究チームの梅澤泰史研究員、同基幹研究所の平山隆志専任研究員、慶応大の石濱泰准教授、横浜市大ナノシステム科学研究科および東大農学生命科学研究科の篠崎和子教授らの共同研究グループはこのほど、劣悪環境への応答に関わっている植物ホルモン「アブシジン酸(ABA)」のシグナル伝達経路を世界で初めて解明した。古くから知られる植物5大ホルモン(オーキシン、サイトカイニン、ABA、ジベレリン、エチレン)の1つであるABAは、植物の乾燥耐性、耐塩性、耐冷性などの環境ストレス耐性を制御するだけでなく、病虫害への抵抗性にも関与しており、さらに、種子成熟や発芽、成長、老化といったあらゆる成育段階に影響を及ぼす極めて重要なホルモンである。
−鹿児島大の真中助教グループが成功−
正三角形の三つの頂点に位置するスピン間に、全て同じ大きさの(互いの向きを反平行にそろえようとする)反強磁性相互作用が存在すると、スピンは三すくみ状態(スピンフラストレーション現象)になる。このスピン正三角形をねじれなく積み上げられたのが正三角スピンチューブで、スピンフラストレーション効果だけでなくスピンの量子力学的な特性も合わさって、個々のスピンの向きは固定されないものの、隣接するスピン間の相対角度(位相)がほぼ一定値をとりながら揺らいでいるという、新奇な磁気状態(スピン液体状態)が出現することが分かってきた。その実験的検証が急がれている。
「広がるネットワーク 近づく未来のコミュニケーション」
NTTは10月14日と15日の両日、茨城県つくば市にあるNTTアクセスサービスシステム研究所(AS研)と、つくば国際会議場を会場に「つくばフォーラム2009」を開催する。参加対象者はNTTグループ社員、共催団体の情報通信エンジニアリング協会、通信電線線材協会、情報通信ネットワーク産業協会の会員会社社員、同フォーラム出展会社からの招待客、NTT研究所などからの招待客など。NTTーAS研では、光アクセスネットワークの技術やプロダクトを総合展示し、そのニーズ・シーズのやり取りやコラボレーションの機会を得る場として、同フォーラムを毎年開催している。
広島大・二川浩樹教授ら消毒薬開発
広島大学大学院医歯薬学総合研究科の二川浩樹・教授らの研究チームは、長時間抗菌効果が続く新たな消毒薬の開発に成功した。 最近は、新型インフルエンザの流行などに伴い、ポンプ入りの消毒液をつけて建物に入ることが多い。大概の消毒液は、揮発性材料を用いることなどから効果は一時的だ。消毒後に飛んできた飛沫中に含まれるウィルスは、その表面で生きており空気感染や接触感染の原因となってしまう。
英国食品基準庁
元長官が来日公演
東大大学院農学生命科学研究科・食の安全センターと味の素は共同で9月23日、ジョン・クレブス卿(オックスフォード大学ジーザスカレッジ校長)を招き、特別講演会とパネルディスカッションからなる「食と科学−生命の対話−」を東大安田講堂(東京都文京区本郷7−3−1)で開催した。